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【箱根駅伝2021】10区の大逆転はなぜ起きたのか?タイムで見るとセーフティリードではなかった

箱根駅伝2021選手の皆さんお疲れ様でした。

コロナ禍の中開催となった箱根駅伝2021でしたが運営の皆さんのおかげで無事開催し、無事に2日間終えることができましたね。

警察官の方も含めスタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。

今回は、10区で2位だった駒澤大学がなぜ1位の創価大学を逆転できたのか迫っていきたいと思います。

駒澤大学の10区の逆転劇で幕を閉じた箱根駅伝2021

上位2校の結果

1位 駒澤大学 10時間56分4秒

2位 創価大学 10時間56分56秒

52秒差での決着ということで近年稀に見る接戦となりました。

創価大学は大学初の優勝がかかっている中本当に選手全員が力強い走りを見せ、往路の勢いそのままに本当にあと少しで優勝で惜しかったですね。

それでも当初の目標総合3位を大きく上回る10区の途中まで1位の走り。結果準優勝という素晴らしいレースを見せてくれました。

3分19秒のリードのまま最終10区へ

創価大学は2日の往路優勝の勢いのまま復路でも駒澤を3分19秒リードしたまま最終10区で小野寺選手(3年)にタスキを繋ぎました。

多くの箱根駅伝ファンの予想をいい意味で裏切った創価大学。私も往路にいい選手を集め、復路でどこまで粘れるか見ていましたが各選手の力強い走りでさらにリードを広げる様は圧巻の一言でした。

対する駒澤は石川選手(3年)にタスキを繋ぎます。この時点で先述した通り、3分19秒の差、距離にして1km100-200mの差でしょうか。

多くのファンはここで勝負が決まったと思ったのではないでしょうか。

創価の小野寺選手と駒澤の石川選手の持ちタイムを比較

ここで小野寺選手と石川選手の持ちタイムを比較してみます。

 

創価大学 小野寺選手(3年)

5000m 14分05秒40

10000m 29分27秒14

ハーフマラソン 1時間05分40秒

 

駒澤大学 石川選手(3年)

5000m 13分59秒41

10000m 28分45秒94

ハーフマラソン 1時間03分07秒

レースや記録を出したタイミングが違うので単純な比較はできませんが、距離別で見ても駒澤の石川選手が速いのがデータから見て取れます。

今回2人が走った10区は鶴見→大手町のコースで23kmなのでハーフマラソン(21.0975km)の記録で予想をたてていきます。

2選手のハーフマラソンのベストタイムの差は2分33秒。

2分33秒差

創価大学 小野寺選手(3年)

ハーフマラソン 1時間05分40秒

駒澤大学 石川選手(3年)

ハーフマラソン 1時間03分07秒

つまりお互いがベストの走りをした場合、2分40−50秒程差が縮まりまる計算です。

10区時点で3分19秒の差があったので、ベストの走りをした場合、なんとか30秒ほどのリードで創価大学の小野寺選手が逃げ切る計算ですが、僅かな差だったので3分のリードもセーフティリードとは言えないことがよくわかりますね。

初優勝がかかった10区アンカーの重圧

当然テレビを見ているときは2選手の持ちタイムを知らなかったので、見ている私からすればセーフティリードに見えました。

ところが、初優勝がかかった10区のプレッシャーは相当なものだったと思われます。

自分が明日の紙面の1面を飾ることを考えれば、反対に10区で逆転されることを考えれば平常心を保つのは難しかったでしょう。

セーフティリードとは言えないものの3分の差がある中できっちりゴールまで走る。しかも追いかけてきているのは自分よりタイムのいい選手。

この辺りが非常に大きな重圧、そしてペース配分の難しいところだったかと思います。

一方の駒澤の石川選手はひたすらに前を追いかける

2位の駒澤の石川選手はここまで9人の選手が繋いできたタスキ、1位の可能性が残されている以上、2位で終わるわけにはいかない。

とにかく前を追いかけようという気持ちだったに違いがありません。

SNSでも話題になった大八木監督の檄を受けながら、20km付近で小野寺選手を捉えることになりました。

結果、駒澤大学は13年ぶりの総合優勝を果たし、石川選手は10区の区間賞に輝く走りを見せました。

10区記録

10区の記録を振り返ります。

4分11秒差

駒澤大学 石川選手(3年) 1時間9分12秒 区間記録

創価大学 小野寺選手(3年) 1時間13分23秒 区間20位

日本体育大学 名村選手(2年) 1時間12分04秒 区間17位

石川選手と名村選手のタイム差は2分58秒

結果的に2位から猛追した駒澤の石川選手は1時間9分12秒の好タイムで区間記録に輝きました。

一方、力を出しきれなかった小野寺選手は区間20位と苦戦する結果に。

あの状況まで最後まで走りきるわけですから相当なメンタルだと思います。

ゴール後に健闘を称えて、拍手をする寮の選手たちの姿に心底感動しました。

ちなみに参考に区間17位の日体大の名村選手は駒澤の石川選手と2分58秒差でした。

創価の小野寺選手の持ちタイムは名村選手より速いので、小野寺選手も本調子であれば1時間11分台以上で走る力は十分にあったものと思われます。

小野寺選手はこの悔しさを来年の箱根で返してもらいたいと期待しています。

勝負にタラレバはないが10区に島津選手だったら?

ちなみに10区の区間記録をご存知でしょうか。10区の区間記録の保持者は昨年創価大学の当時2年だった島津選手が記録した1時間8分40秒です。

3年生になった島津選手は今大会4区でエントリーし、1位の山梨学院大学のオニエゴ選手に次ぐ日本人最高の2位で往路優勝を大きくたぐり寄せる活躍を見せました。

4区に小野寺選手、10区に島津選手だったら展開がどうだったかファンとしては気になるところですが、タラレバはないのでこの辺にしておきます。

最後に

箱根駅伝4度目の挑戦にして昨年の9位を大きく上回る2位になった創価大学。

力のある下級生が多く、今回出場した4年生は3人のみ。箱根経験者が7人残るので来年も楽しみですね。

来年は優勝候補の1校として他校からのマークも厳しくなると思いますが、来年も期待しています。

 

そして、今回見事13年ぶりの総合優勝を果たした駒澤大学。

大会前はエースの田沢選手しか知りませんでしたが、下級生に実力者揃いで驚きました。1年生のエントリーが3人と勢いが目立ちました。

4年生のエントリーは1人だけでしたので来年はさらに強くなって箱根に戻ってくることでしょう。

大八木監督の檄が来年どのようにパワーアップするかも楽しみですね。

この2校に近年最も勝っている今回復路優勝の青山学院大学、今大会3位の東洋大学、5位の東海大学が追いかける展開。

今大会の創価大学のように新興勢力がさらに台頭する可能性もあります。

直近5年、青山学院大学の1強と見られてきた箱根駅伝ですがここにきて戦国時代に突入しました。

近年の科学トレーニングにより各校の力の差がなくなってきましたね。それぞれの特徴がより出やすくなりさらに箱根駅伝が面白くなってきました。

今大会は家で多くの駅伝ファンが視聴したことですから来年はより注目度の高い楽しみな大会になりました。

コロナ禍でなかなか満足に練習ができないこともあるかと思いますが、健康に留意してまた来年素晴らしい走りを見せてほしいと思いました。